突然来ることも
50代にはいると周囲にも親の介護や看取りの話題がちらほらと聞こえてきます。うちはまだ先の話などと思っていても、親も高齢になるとその日が突然来ることもあります。また、病気が見つかったりすると逆に聞きづらくなるのもこの話題です。親が元気な時にこそ本人の希望を聞くチャンスです。親の希望を叶えつつ葬儀・遺品整理をした体験をお伝えします。
父を看取る
父が亡くなったのは2018年のこと。在宅介護で看取りました。だいぶ身体が弱ってきていたので当時県外在住だった私は泊まりで実家に帰省していました。
前日、訪問診療の医師がいらして診てくださり痛みが強いようなので少し強めの痛み止め(モルヒネ)に変えましょうとのことでした。お酒好きの父に医師が「今度ちょっと一杯やりましょう」とお猪口をかたむける仕草をすると笑顔でうなづいていたのが印象的です。夜10時頃医師の指示どおり痛み止めのテープを鎖骨下に貼り、母と私も2階に上がってやすみました。
翌朝一足先に1階に降りた母が「お父さんの様子がおかしい」と呼びに来ました。父のもとにいき様子を見ると脈が触れません。手首を触っても首もとを触っても同じです。息もしていません。
母に「亡くなったみたい」と告げると訪問診療の医師に電話をして駆けつけた医師に死亡を確認していただきました。弱っていた心臓にモルヒネが強すぎたようでした。気づいたときにはまだ体温は全くさがっておらず亡くなった直後に発見したようです。
お葬式のプラン選び
医師が死亡診断書を作成してくださいました。エンゼルケアをしていただいてる時に「着せたい服がありましたらお預かりします」と声をかけていただき母と私で父が生前好んで着ていたシャツを用意しました。
その後駆けつけてきた姉妹とみんなで葬儀について話すうちに父が家族だけの葬儀を望んでいたことがわかりました。母に「兄弟、友人は呼ばなくていい。終わってから知らせてほしい。」と言っていたそうです。
それを聞いた母がC社のパンフレットを取り寄せていたことからそちらに連絡してみました。電話口では大変穏やかな方が対応してくださり説明していただきました。我が家から一番近い葬儀社から担当者が来てくださるということでお願いすることにしました。
担当の方がいらしてまずはどんな葬儀があるかの説明を受けました。
「火葬式」というのは直接火葬場へご遺体を運びお経をあげていただいてすぐに火葬するというもの。いわゆる祭壇などはなくお別れの挨拶もない簡単なもので家族だけの場合などに選ばれる方が多いそうです。
「1日葬」はお通夜を行わず式場で一般的なお葬式をあげてから火葬場に行きます。祭壇もあり、お経をあげていただいてお別れの挨拶や供花もあります。最近選ばれる方が増えているお式です。1日で終わるので家族も参列者も負担が少なくてすみます。
「家族葬」はお通夜を執り行いその翌日お葬式を行なう従来のやり方です。30名まで対応可能とのことです。
この他に100名まで対応可能なお葬式プランもあり、現役で亡くなった方や交友関係が広かった方などは参列者が多い傾向にありますのでこの選択肢を検討されるのがおすすめということです。
我が家は「1日葬」を選びました。お経をしっかりあげてほしいという母の希望に沿った形です。祭壇も作ってほしいということも言っていました。
日程的に間が3日ほどあくことになったので父の亡骸は葬儀社で預かっていただくことにしました。
お葬式当日
お葬式の前日夕方父の亡骸が自宅に戻り納棺をしました。そのまま一晩父と過ごし、翌朝迎えの霊柩車が来て式場へ向かいました。
参列者は全部で9人の家族だけのお式です。お焼香もすぐに済み読経が終わると棺の周りに集まり父でが見えなくなるくらいの沢山の花を入れて式場を後にします。
火葬場ではもう一度お経をあげていただいてから火葬されました。1時間半くらいでしょうか。その間に簡単な精進落としの食事をいただきながら待ちました。父の思い出話をポツポツとし、時には笑い声も聞こえる時間でした。
火葬が終わるとお骨を拾い骨壺に納めました。その後は再び霊柩車に乗り自宅へと帰りました。仏壇のない家でしたが簡易的な段ボールで組み立てる祭壇を用意してくださりそこに遺影と骨壺を納めて花を生けました。そこが四十九日までの父の居場所になります。
葬儀にかかった費用
今回家族葬をしてかかった費用は以下のとおりです。
1日葬プラン 403,000円 (民営火葬場使用プラン)
追加ドライアイス 10,800円
火葬場控室使用料 10,800円
追加供花 64,800円
割引 ー5,000円
合計税込 484,400円
この1日葬プランは基本料金です。ドライアイスは2日分が基本料金に含まれますが葬儀まで三日あったためさらに1日分追加しました。火葬場控室使用料は火葬の間精進落としをいただいて待つための部屋代です。追加供花はいわゆる花輪というもので、式場の祭壇のお花は基本料金に含まれますがその他に「子一同・孫一同」として供花を追加しました。割引は以前に資料を請求したことがあったための特典です。
以上が葬儀社に支払ったものになります。
この他に精進落とし代として30,750円とお坊さんへのお礼として50,000円がかかりました。
まとめ
家族だけでの葬儀をしてみてメリット・デメリットの両方を感じています。
メリットとして一番感じたのはゆっくり故人とお別れができたことです。家族だけで気を使うことがなく、お客様がいないので挨拶などに時間を取られることもなく心の底から感謝とお別れを伝えられました。また、1日で終了したのも高齢の母にとっては大きかったと思います。 デメリットとしては葬儀後に友人・知人の皆さんにお知らせしたためお参りしたいと言ってくださる方に後日個々に対応しなければいけない点です。自宅にお参りしていただくためそれなりの時間と労力がかかります。
それぞれのご家庭の事情により何が最適かは違いますが悔いのないお別れの儀式にすることがその後の生活を前向きに過ごしていかれるかにも関係していくような気がしています。
